こんにちは。転職アドバイザーの鮫島です。
「ブランクがあっても条件の良い会社で働くには、何か技術を身に付けるべき?」
「もうすぐ失業保険の給付が切れちゃう・・・今更だけど、職業訓練で資格取れればなぁ」
「1年もしないうちに辞めたら、失業保険もらえないのかな・・・でもすぐ辞めたい」
こんなお悩みをお持ちの方に提案です…
失業保険の受給ができない方向けの職業訓練「求職者支援訓練」を受講してはいかがでしょうか?月額10万円の給付金をもらいながら資格取得やスキルアップが目指せます。
今回は、求職者支援訓練の申し込みに関する注意点について解説しています。しっかり把握しておかないと、「申し込みに行ったけど、給付金がもらえなかった・・・」など、悲しい結果になる恐れもあります。
なお、今回は「失業保険がもらえない方向け」の職業訓練を紹介していますので、失業保険をもらう資格がある方は、失業手当の早期受給、延長などのメリットがある「公共職業訓練」を検討してください。
求職者支援訓練で生活費を確保する
求職者支援訓練はどんな人が対象なのか?受け取れる手当はいくらか?これから職業訓練に申し込もうと考えている方が知りたい情報だと思います。
ここからは、厚生労働省の公式情報をもとに、手当や申し込み条件をまとめ、申し込みの際に注意する点について解説しますので、スムーズな手続きの予習として、ぜひご一読ください。
給付金を受け取れる対象者
「求職者支援訓練」は、雇用保険に加入していない方や、加入期間が短いため失業保険の給付が受けられない方が、給付金をもらいながら受講できる職業訓練です。
自営業者だった方、学校を卒業したあと就職しなかった方、失業保険の受給期間が終了した方も対象です。
ただし、対象となっていても、下記の要件を満たさなければ給付金を受け取ることができません。
- 本人収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月25万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
- 全ての訓練実施日に出席している
(やむを得ない理由がある場合でも、支給単位期間ごとに8割以上の出席率がある)- 世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
- 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
ちなみに、上記の要件を満たしていなくても、「給付金はもらわなくてよい」という場合、受講はできます。
受け取れる手当
受け取れる手当の種類と金額をまとめました。
手当の名称 | 月額で受け取れる金額 |
---|---|
職業訓練受講手当 | 10万円 |
通所手当 | 合理的な通所経路でかかる交通費(上限あり) |
寄宿手当 | 1万700円 |
寄宿手当とは、家族と離れて職業訓練に通う必要がある場合に支給される手当です。
申し込みの流れ
ここからは、受講の申し込みの手順を説明します。スムーズな手続きのためにも、事前に確認しておきましょう。
開催予定の職業訓練をチェックする
インターネットで検索できるので、お住いのエリアで、どんな職業訓練が開催されるのか事前にチェックしておきましょう。
事務、介護、工業系の職業訓練が多いのですが、都会では、IT系、デザイン系の職業訓練も豊富です。地方でも、まれにWeb制作やプログラミングの講座も開催されている場合があります。
http://course.jeed.or.jp/onestop/
求職者登録をして申し込み用紙をもらう
受講してみたいと思う講座を見つけたら、ハローワークに出向いて、求職者登録を行いましょう。受付窓口に行って、登録用紙をもらい、用紙に住所・指名・生年月日や、かんたんな職務経歴などを記入します。
登録は即日で完了するので、せっかく出向いたのですから、窓口での相談もおこないましょう。
窓口では、希望する職業訓練の概要や、現在の申し込み人数などを教えてもらえます。問題なさそうなら、申し込み用紙を受け取って帰りましょう。けっこう沢山の用紙をもらうはずですが、それぞれ書き損じに備えて、2~3部もらうようにしたいですね。
必要書類を用意して受講の申し込みをする
申し込みする際は、申し込み用紙の提出だけでなく、事前審査に必要な書類を添付する必要があります。
ハローワークに行くのが一苦労で、求職者登録をする日にいっぺんに手続きを済ませたい!という方は、手間を省くためにも、すべての書類を揃えてハローワークに向かうといいですね。
申し込み時に必要な書類一覧
申し込みの前に、事前審査のために必要な書類を用意してからハローワークに行きましょう。
一覧を下記に記載していますので、確認して抜かりなく揃えてくださいね。
- マイナンバーが確認できる書類
- 本人確認書類
- 各種の申込み用紙
- 添付書類(詳しくは下記の「必要書類4」を参照)
必要書類1:マイナンバーが確認できる書類
- マイナンバーカード
- 通知カード
- マイナンバーの記載のある住民票(住民票記載事項証明書)
必要書類2:本人確認書類
- マイナンバーカード(写真つきのカード)
- 運転免許証
- パスポート など…
これらをお持ちでない場合、ほかにも代用可能な書類がないか、管轄のハローワークに電話して、あらかじめ問い合わせしておきましょう。
必要書類3:各種の申込み用紙
- 受講申込書
- 受講申込・事前審査書(安定所提出用)
- 職業訓練受講給付金要件申告書
- 職業訓練受講給付金通所届
持ち帰って記入する場合は、書き損じの可能性も考慮して、2〜3部もらうようにしましょう。
どうしても書き方がわからない時は、窓口に提出する際に書くか、電話で問い合わせするなどして、不備のないように慎重に記入しましょう。
必要書類4:添付書類
- 3ヶ月以内に交付された住民票謄本の写し、または住民票記載事項証明書(世帯の構成と続柄記載)
- 本人および配偶者の収入を証明するもの(前月の給与明細、所得証明書、源泉徴収などのいずれかでよい)
- 本人および配偶者の「残高が50万円以上ある全ての預貯金通帳または残高証明」
- 給付金の振込先になる預金通帳
以上、申し込みの際に必要な書類を列挙しましたが・・・書類を揃えるだけでもなかなかの労力を要します。
中でも、残高が50万以上の預金口座を持っていたら、それを提出しなければいけない・・・と書いてあるので、混乱しますね。これは、50万円以上の預金通帳をチェックして、総資産が300万円以下におさまることを確認するための提出物です。
世帯全体の金融資産が300万円以上ある方は給付金の受給ができないので、多額の預金や住居以外の不動産を持っている世帯では、受給が難しいかもしれません。
提出書類や記入する書類が多いので、申請自体なかなかハードですが、ハローワークの職員さんがサポートしてくれるので、書類の書き方や入手方法がわからない場合は、一度ハローワークで相談してみると良いでしょう。
以上、ハローワークを通して「求職者支援訓練」を受講するための手順を紹介しました。
受講の際は、手当だけでなく、スキルや資格もしっかり習得してくださいね。次の就職活動ではブラック企業を回避できますよう、心よりお祈り申し上げます!