こんにちは。転職アドバイザーの鮫島です。
あなたは「ブラック企業の定義」と「ブラック企業の特徴」の違い、ご存知ですか?
「定義」と「特徴」は混同しやすい言葉ですが、ここでは、明確に分けて考えています。
まずは「定義と特徴って何が違うの?」という方のために言葉の意味を解説しましょう。
「特徴」と「定義」の違い
では、まず「特徴」と「定義」の違いを確認しましょう。
特徴(とくちょう)
他と比べて特に目立つ点。きわだったしるし。
特徴 とは – コトバンク
定義(ていぎ)
ある言葉の正確な意味や用法について、人々の間で共通認識を抱くために行われる作業。基本的に定義が決められる場合は1つである。これは、複数の場合、矛盾が生じるからである。
wikipedia:定義
以上のことから定義は特徴よりも、より厳格な意味を持つことがわかります。
ブラック企業における定義と特徴の違い
「ブラック企業の特徴は?」と聞けば人によって挙げるポイントにばらつきがあってもいいけど、
定義をあげる時はどこかのソースで正式に発表している定義であるべきですね。
では、ブラック企業を正式に定義する機関はどこかにあるのでしょうか?
日本の労働に関する決まりごとは厚生労働省が決めている
日本の労働に関する決め事を取り扱っているのは、厚生労働省です。
よって、ブラック企業を正式に定義する機関は厚生労働省と判断できます。
厚生労働省の役割
厚生労働省(以下、厚労省と表記)では、労働者が、経営者に搾取されぬよう、人としてまっとうに働ける環境作りのために「適切な労働条件」を定めています。
この「労働条件」を逸脱している労働環境で、従業員を働かせている会社が、ブラック企業の定義にあてはまると言えるのではないでしょうか。
しかし、当の厚労省では「ブラック企業の定義づけはしていない。」と述べております。
一方で、「一般的にブラック企業ってこういう特徴がありますよね」と特徴について言及しているものが公式サイト上にありました。
厚生労働省が認識するブラック企業の特徴
厚生労働省の公式ページには、Q&Aのページで下記のように掲載されています。
Q.「ブラック企業」ってどんな会社なの?
A.厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、
① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
などと言われています。このような企業に就職してしまった場合の対応としては、第一義的には会社に対して問題点の改善を求めていくことが考えられます。
しかしながら、新入社員が単独で会社に問題点の改善を求めて交渉等をするのは現実的には非常に難しいと考えられます。
したがって、問題点に応じて、外部の関係機関や労働組合に相談することも有効な手段と考えられます。
厚生労働省公式サイト
つまり、厚労省はブラック企業を定義付けしていないが、
一般的な見解として捉えている「ブラック企業の特徴」があるということ。
その、厚生労働省で捉えているブラック企業の特徴をまとめました。
厚生労働省ではブラック企業をこう捉えている
厚生労働省の公式ページでの回答をもとに、ブラック企業の特徴を整理してみました。
- 極端な長時間労働
- 極端なノルマ
- 残業代不払い
- パワハラ
- コンプライアンス意識が低い
- このような状況に耐えられない労働者をふるいにかける
確かに、厚生労働省の捉え方は、一般的な見解と相違なく納得できるものです。
ただ、ここで「極端な」という言葉が使われていますが、「じゃあ、どこからが極端って言えるのよ?」という疑問がわく、曖昧な言葉ですよね。
こんなことでは、ブラック企業を定義づけすることは不可能なのでは?と感じます。
定義がなければ労基に告発しても無駄?
労働基準局に告発するとしても、労働基準法に違反していることを証明することは、困難を極めます。
そもそも、定義が曖昧ですからね。
労働基準局は、告発を受ければ「ガザ入れをする権利」を持っていますが、
そのガサ入れで見つけた書類上に何の問題も見つけられなければ、対処することが出来ないのです。
そして、問題が見つかった場合も、是正指導をするだけで、問題のある企業に罰を与えることはありません。
「所詮お役所、労働者の味方に立つことなんてないのかな・・・」と思われがちですが、そうでもありません。
労基をうまく動かすには、第三者にも明らかに「違法」とわかるように
証拠集めをすれば良いのです。
まとめ
厚生労働省は「ブラック企業」を定義することは現時点ではないと名言しているので、厳格な定義つけはまだまだ、労働者側でしっかり検証する必要がありそうです。
しかし、労働基準法に反する労働条件で働いている場合、あなたの職場は間違いなく「ブラック企業」です。
今は、耐え続けることを美徳とする単純な世の中ではありません。
一度きりの人生を、どう生きるかはあなた次第なのです。
このサイトを見てくださっているあなたなら、率先して立ち上がり、搾取される働き方から抜け出すことができるはずですよ。