ブラック企業ランキング2014 大賞&ノミネート企業一覧

ブラック企業ランキング2014

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労働組合、NPO法人、ジャーナリスト、弁護士、大学教授などが主体となり、日本のブラック企業の頂点を決めるため、2012年から始まった「ブラック企業大賞」

そんな社会的に意味のある企画で取り上げられた企業とは、一体どんなものなのだろうか?

日本の有名ブラック企業を学ぶことで、今後のあなたの人生を良くするヒントが見つかるかもしれない。

「ブラック企業大賞2014」受賞結果

受賞名 企業名
大賞
WEB投票賞
株式会社ヤマダ電機
業界賞 株式会社A-1 Pictures
業界賞 株式会社不二ビューティ(たかの友梨ビューティークリニック)
要努力賞 株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)
特別賞 東京都議会
その他ノミネート企業 株式会社大庄(居酒屋チェーン「日本海庄や」)
JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)
タマホーム株式会社
株式会社リコー
株式会社秋田書店

大賞&WEB投票賞「株式会社ヤマダ電機」

2014年大賞に選ばれた「株式会社ヤマダ電機」は、家電量販店国内トップシェアを誇る大企業である。

大賞受賞の理由は、後を絶たない従業員の自殺だ。訴訟で明らかになっているだけでも3名の方が亡くなっている。

  • 2004年 上司から執拗な罵倒を受け、契約社員男性自殺
  • 2007年 週47時間30分の残業を強いられた、契約社員男性自殺
  • 2013年 営業不振に悩み、架空売上の末、店長自殺

自殺の原因は、パワハラを容認する企業体質だと思われる。

売上目標を達成するためには手段を選ばない、達成するまでやれというプレッシャーが常に頭上から降り注がれるのだ。

その結果、「異常な長時間労働」と「従業員を人間と認識しない思考回路」を生み出される。

週刊文春によると、46名の店長が厚生労働省が定めた「過労死ライン(残業月80時間)」を超えていたという。

ブラック企業では典型的な「パワハラ問題」ではあるが、会社規模の大小を問わず、業界トップの巨大組織の日常にも潜んでいる。

業界賞「株式会社A-1 Pictures」

ソニーのグループ企業である「株式会社A-1 Pictures」は、「逆転裁判」「黒執事」「宇宙兄弟」などのアニメーションを制作する会社だ。

2010年、A-1に勤務する28歳男性社員が、月344時間以上の残業、残業代未払い、7日間連続会社泊、3ヶ月間休み無しなどの要因でうつ病を発症、その後自宅で自殺している。

実は華やかに見えるアニメーション制作業界では、長時間労働、低賃金が当たり前となっている。

  民間企業 アニメーター
平均年収 414万円 332.8万円
月間労働時間 168.5時間 262.7時間

民間企業に比べ、アニメーターの年収は81.2万円低く、労働時間は94.2時間多いのがお分かりだろうか。

夢を追うクリエイティブな若者の意志を逆手に取った卑劣なやり方が文句なしの業界賞受賞となった。

業界賞「株式会社不二ビューティ(たかの友梨ビューティークリニック)」

TVやCMで知っている方も多いだろう「たかの友梨ビューティークリニック」を運営する「株式会社不二ビューティ」が業界賞を受賞した。

同社の従業員は1日に12時間の過重労働を課せられ、休憩時間もほとんど与えられていなかった。

また休日も規定通りに休めず、有給休暇は取得できない、残業代・休日手当は誤魔化すというブラックぶりだった。

2014年、この実態を女性従業員が告発、行政指導と勧告が出されている。

バラエティー番組に多数出演する社長のたかの友梨は、企業トップのパワハラを駆使し、告発した女性従業員を強く問い詰めた。

その結果、女性従業員は精神的ショックで出勤することができなくなったという。

TVで作られた世間のイメージとブラック企業で働く従業員の感覚には、大きなギャップが存在するのである。

要努力賞「株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)」

外食企業トップ10入りを果たした「株式会社ゼンショーホールディングス」。牛丼店舗数日本一を誇る「すき家」を始め、「なか卵」「coco’s」「ビッグボーイ」「はま寿司」など運営は多岐に及ぶ。

同社はすでに、2012年ブラック企業大賞「ありえないで賞」の受賞歴があり、今回の要努力賞受賞は全く改善がみられないためだ。

株ゼンショー社長による「日本人はだんだん3K(きつい・汚い・危険)の仕事をやらなくなっている」発言は世間全体の仕事に対してだったが、「すき家が3Kである」と解釈され一躍有名になったのは記憶に新しい。

しかし、あながち間違ってはいない。実際のすき家の労働環境は過酷そのもの。

深夜帯に一人勤務させる「ワンオペ」を始め、24時間以上の勤務を何度も繰り返す、月の労働時間500時間超えなど、死人が出ていないのが奇跡

ここまでブラックであることを世間に周知されながらの労働基準法違反は、まさにキングオブブラック企業だ。

特別賞「東京都議会」

2104年6月18日、東京都議会において女性議員に対し「早く結婚した方がいいじゃないか」「産めないのか」等の男性議員のヤジが飛んだ。

あまりにも次元が低すぎるセクハラ発言のためコメントは控えるが、問題はその後の対応にもある。

セクハラヤジ騒動の中心人物である鈴木章浩は、当初「自分ではない」と否定していたが、問題が世間に知れ渡り収集が付かなくなると「早く結婚して頂きたくて…」と意味不明な釈明。

そもそも「セクハラ」とは何か理解していないようだ。

さらに、ヤジを飛ばしたのは鈴木章浩以外にも数名存在するはずだが、自分から名乗り出る人物はおらず、音声分析まで持ち出されたが特定には至っていない。

都議会はその場にいた議員全員に聞き取り調査を行ったが皆口を閉ざしたまま。都議会自体も鈴木章浩1人の発言とし、それ以上の調査を進めることはなかった。

このような愚かで低脳な人間が国を動かしていると思うと、末恐ろしい。

ノミネート企業「株式会社大庄(居酒屋チェーン「日本海庄や」)」

居酒屋チェーン店「庄や」「やるき茶屋」などを運営している「株式会社大庄」では、2007年に24歳男性社員が急性心不全によりなくなっている。

原因は、80時間の残業代を給与に組み込んだ月112時間の時間外労働による過労だった。

遺族は過労死認定を受け京都地裁に提訴し、会社と役員4名に約7860万円の賠償責任を命じられた。

驚きは大庄社長 平辰(たいらたつ)の弔電「天命とは申せ――」である。

つまり、「被害者男性の過労死は宿命とはいえ、残念です――」と続く。

従業員を使い捨てと考えるブラック企業ならではの言葉だ。

ノミネート企業「JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)」

JR西日本」で保安業務を担当する28歳男性社員は、朝9時から翌朝6時45分までの不規則勤務に就いていた。

月の残業は平均160時間を超え、最長250時間になることもあった。さらに昼夜連続勤務や休日出勤も日常的に行われていた。

精神的にも肉体的にも追い詰められた男性社員は、職場近くのマンションの14階に立った。

タバコを1本吸い、壁には「ごめんなさい。ありがとう」と書き残し、飛び降り自殺。
新婚旅行を間近だったという。

ノミネート企業「タマホーム株式会社」

木村拓哉のCMでお馴染みの住宅メーカー「タマホーム株式会社」では、2011年 営業主任の男性が過労死している。

遺族側は、男性社員のパソコンのログイン履歴から月144~186時間の残業を課せられていたと1億400万円の損害賠償を求め提訴している。

しかし、タマホーム側は「ログイン履歴は不確か」とし、全く認めようとしない。

ノミネート企業「株式会社リコー」

2011年「株式会社リコー」では、「人員リソース計画」と呼ばれる1万人のリストラ計画が発表された。

当時、技術職であった男性社員は、社内で複数回表彰されている「その道のスペシャリスト」である。しかし、リストラの波は男性社員にも及んだ。

上司からは希望退職制度に応募させようと幾度となく勧奨を受けたが、男性社員は断った。

すると、会社側は男性に子会社への出向を命じた。そこでの仕事は立ち仕事の単純作業で、

デスクやパソコンを支給されることもなかった。

男性社員は労働組合に加入し、東京地裁に提訴。

判決は「男性社員を自主退職に追い込むための卑劣な行為」として出向命令は無効とされた。
組織的なパワハラとして認められたのだ。

ノミネート企業「株式会社秋田書店」

マンガ雑誌「少年チャンピオン」などを発行する出版社「株式会社秋田書店」。

同社では、読者プレゼントの当選者数の水増しが平然と行われていた。中には、架空の当選者名を掲載し、1つも発送されないプレゼントもあった。

ある女性従業員は、この違法行為を止めるように上司に何度も訴えたが是正されることはなかった。

強い憤りと罪悪感の葛藤で女性従業員は精神疾患を患い休職を余儀なくされた。

追い打ちをかけるように、秋田書店は女性従業員に対し「読者プレゼントを着服した」と濡れ衣を着せ懲戒免職したのである。
消費者庁から景品表示法違反で措置命令が出され、会社の違法性が明らかになったにも関わらず、女性への懲戒処分は有効とし、会社側の罪は今だ認めていない。

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ABOUTこの記事をかいた人

1981年生まれ。 12年のブラック企業勤務を経て、「ブラック企業被害者の会」の講師に認定される。現在は、自分と同じ過ちを繰り返してほしくないとの信念をかかげ、勢力的に講演活動を行う。熱い言葉の中にブラックジョークが散りばめられた語りは20代の若者に人気。一女一男の父。